狂っていく日常① ~ママより②

【狂っていく日常①】

 

平穏な日常生活を送れるよう努力してきたつもりが、過信だった。

それが私達ではなくアールに突き付けられることになる。

 

2020年の終わりも終わり、12月31日 アールが食事をすべて

吐き戻す。

31日前から食欲不振ではあった。

10歳過ぎてからの夏は大体食欲不振気味になる。

通常、ご飯は老齢犬用のドライドックフードしか与えないようにしていた。

誕生日やイベントごとがあったりしたらウェットを。

食欲がない時は無糖のヨーグルトをかけたりしながら基本的にドライオンリー。

ヨーグルトは大好きで本当に好んでいた。

牛乳も大好き。(スキムミルクの買っていたのに!)

だからヨーグルトをかけても食べないのはよっぽどの事なのだ。

段々この辺りから”おかしいな....”と感じ始めてきた。

食べないのは良くないと思い、パパさんがローソンにウェットの

ドックフードを何種類か買ってきた。

それをまた美味しそうにペロッと食べてご機嫌に過ごしているのだと

思ってしまった。

夜ごはんも うちは遅い。パパさんの仕事関係で。

アールもあわせて夕食が遅い。

アールの食後、一時間過ぎてぐらいかな、一緒にいたパパさんが

慌てて アールが全部吐いた!と言ってきた。

 

うーん、これは良くないだろうとお互い思ったが、いかんせん年末年始。

どうしようもなく、病院が始まるまで仕方ない。と思って

様子見。になってしまった。

そうしてどんどんと急激にアールの状態が悪くなっていく。

まったくご飯を食べない。ドライはもちろんのこと、ウェットも。

ヨーグルトも。牛乳さえ飲まない。水はかろうじて飲んでいた。

でもいつもの勢いで飲んではいない。

散歩も歩けなくなっており、どんどん距離が急激に短くなって。

おうちの中でも動かなくなってきた。

食べていないし、動いてもいないからウンチもでない。

お水も全然飲めていないから、おしっこもちょっと。

日に日に悪くなってくる息子に、私達は病院が始まる日を一日千秋の

思いで待っていた。

 

ハラハラしていたが、それでも心のどこかで病院行けば大丈夫と

思っていたように思う。

ちょっと治療に時間はかかるかもしれないけれど、大丈夫と。

 

病院から会計待ちの間に掛かってきた電話に、やばいヤツじゃないか?

と、慌ててググる

ああ、全然良くない。良くないよ、アール。

ああ、どうしよう、どうしよう。

まずいな、本当にどうしよう。不安が私の中で爆発中だ。

パニックにもなってくる。

あ、まずい。

(私はパニック障害鬱病経験者でちょっと自分で意識するようにしている)

 

冷静になれ。

深呼吸。

 

今、大変なのはアール。

アールを最上に考えなければならないんじゃないの?

パパは?

パパは犬を看取ったことはないんじゃない?

パパはだめだ。あの人はアールがいないと生きていけない。

しっかりしろ、私。

アールが良い時間を送れるようにパパも引っ張れるようにならないと

いけないんじゃないの?(出来るかどうかは置いといて、気持ちだけでも。)

アールを守らなくっちゃ。

しっかりしろ、頭を働かせ。勘違いするな、大変なのはアール。

泣くのはいつでもできる、しっかりしろ、私。

 

様々な思いを抱え、三か月後、ようやく病名がやっと判明した。

■ 洞不全症候群(原因不明で心臓が急に止まってしまう)

■ 慢性腎不全(ステージ4)

 

私達は2021年1月4日の病院から いつ切れてもおかしくない

糸の上をアールの命のはかなさを噛みしめながら歩き続けることになる。

 

次回は 100均で揃えられる役立つモノたち を紹介したいと思います。

それから狂っていく日常②かな?